「私は神になるのだ」

細菌のゲノム合成に成功:2008年中に合成生命も?

この記事の写真の目は、そう語っているように思えてならない。
神はすべての生命をお創りになった。そして私もいま、新しい生命を創った。私は神に近づいたのだと。

科学者の興味、欲望は尽きない。それが将来どんなことを引き起こす可能性があるのかが分かっていても、例えそれが恐ろしく悲惨な事柄であっても、それとは別に「人類の利益になる」という使い道がありさえすれば、それを口実として突き進んでいく。自分の欲望を満たすために。

そして、別の人間が自分の欲望を満たすために、その技術を使うことになる。それが使い道によって巨大な力を生み、巨万の富を生むものならなおさらである。原爆もその一つだ。

私はキリスト教などでいう、いわゆる万物の創造主としての「神(唯一神)」を信仰していないが、彼らの立場に立って神の存在を仮定したとしよう。彼らと神との間には、決定的な違いがある。神は自らの欲望のために万物を創ったわけではなかろう。一方人間の作るものは、すべて自らの何らかの欲望を満たすための結果だ。

そして世界は一部の人間の欲望に飲み込まれていく。恐ろしいことだ。

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