放射能が身体を蝕み、ゼニが心を蝕む。
原発がある限り人々は心身共に冒されていく。
福島のようなことが起きなくても、既にシャブ中毒も同然だ。
こんなことを続けていたら、いつか破滅の時がやってくるはずだ。
福島はその警告なのかもしれない。

毎日jpより

原発:電源の透視図 九州の原発を歩く/「ゼニのためのデモ」

漁師がこぶしを振り上げながら張り上げたシュプレヒコールは原発建屋にこだました。05年9月15日午前10時すぎ、九電玄海原発(佐賀県玄海 町)の沖合に約140隻の漁船が集結した。船体には「プルサーマル絶対反対」の横断幕。玄海原発のプルサーマル計画に国が許可を出した8日後のことだ。

デモをしたのは玄海町に隣接する唐津市の4漁協。海上デモは5月に続き2回目だが、なぜかこれを最後に収束した。参加したある漁師は明かす。「俺 たちはプルサーマルに反対しとったんじゃない。ゼニをもらうためのデモだったから」。漁連元幹部も述懐する。「反対しても国と知事と町長がよかって言え ば、それでよかになる。反対してもどうもならん状況やった」

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原発を立地する時、電力会社は地元漁協に漁業補償金を支払う。埋め立てによる漁業権の消滅や、温排水による影響など地元の漁業活動に支障が出るこ とへの補償だ。額は過去5~10年の漁獲高などを基に計算する。玄海原発近くの外津漁協(玄海町)はこれまでに約20億円、川内原発(鹿児島県薩摩川内 市)3号機増設を巡って川内市漁協は約44億円の補償金を手にしたといわれている。

だが、補償金は原則、原発の新設や増設以外では支払われない。「ゼニのためのデモ」と明かした漁師は毒づく。「プルサーマルを導入したら玄海町だ けは公金(交付金)をいっぱいもらえるけど、俺たち漁師には何もない」。だが、海上デモを行った漁協が所属する漁連は、09年から3年間で計7億円を引き 出す約束を九電と取り付けた。名目は「水産振興対策費」だった。

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九電から原発マネーを引き出したのは漁協だけでない。

06年8月。佐賀県議長の原口義己県議(当時)は福岡市の九電本店に乗り込んだ。当時、九電は福岡市が計画していた粒子線がん治療施設について協 力態勢の検討を進めていた。そこへ佐賀県も名乗りを上げたのだ。「建設には九電の協力が必要だった」(原口県議)。県議には切り札があった。

プルサーマル計画の賛否を問う県民投票条例案。「可決させますよ」。九電幹部に迫った。県民投票になればプルサーマル計画は頓挫する可能性もある。条例案の可否を決めるのは議会だ。

結局、場所は佐賀県鳥栖市に決まり、福岡市は撤退した。なぜ九電は引っ繰り返したのか。当時の九電が置かれた状況をみればよく分かる。プルサーマ ル計画は国策で進められていたが、先行していた東電が機器トラブル隠し、関電が検査データ改ざんで相次いでつまずいた。「それで九電に第1号の期待がか かっていた」(九電元幹部)。プルサーマルは至上命題だった。

「国内第1号のプルサーマル営業運転に向けた関係者の大変な努力に敬意を表したい」。09年12月、プルサーマル発電が玄海原発で国内初の運転を 始めた日、原子力安全・保安院の担当課長は検査合格証を九電幹部に手渡し、たたえた。翌年4月、九電はがん治療施設(事業費約150億円)に39億 7000万円の寄付を発表した。

2011年9月7日

コメント (5) > “放射能とゼニ”

  1. kiyo

    悪魔に魂を売るという行為ですよね。

    9月 12th, 2011 | 12:26:01
  2. >kiyoさん
    漁師の人は、自分だけ貧乏くじを引きたくない、という心理でしょう。
    佐賀県の県議は、これは恐喝と言えそうですね。ひどいです。

    毎日新聞はこの記事で、悪いのは政府や電力会社だけじゃなく、
    住民側だってこの程度なんだよってことを言いたいのだと思います。
    だから政府や電力会社だけを責めるなと。

    しかし、原発という存在そのものが、地域を分断し、人々を狂わせ、
    元々そこにあった共同体をボロボロに破壊する元凶なのです。

    9月 12th, 2011 | 22:03:41
  3. kiyo

    今まで“絶対事故が無い安全でクリーンな発電所”という事をまことしやかに言ってきたと思います。

    しかし、今回の件で神話は崩れました。
    可能性は、本当に“0”では無くなったわけですよね。

    だから今、放射線で汚染されたらどうなるのか。
    子供達がどうなるのか。
    をチェルノブイリの事故の事例と福島の事例とを広く伝えて、1度事故ったらちょっとやそっとでは修復しないという事を解らせないとダメですよね。

    それは、補助金の恩恵をこうむってない人達に広く拡散させたければダメだと。

    自分は、脱原発です。
    放射能漏れの事故を起こしたら、それを人間が止めに行く事が出来ない事態になるというのが原子力だと言う事を理解させたいですよね。
    だから福島第一は、時間が経ってから爆発していったんだと。

    普通に考えると、隣同士で原子炉があるっておかしいですよね。
    リスクアセスメントすれば、原子炉の間隔って30kmや40kmの話になるはずでしょ。
    だって、一基が壊れたら近寄れないんですから。

    すみません。 話がそれました(^_^;

    9月 15th, 2011 | 8:41:38
  4. >kiyoさん
    最近よく使われる「想定外」という言葉がありますよね。
    これは

    「予想もしていなかったことが起きた」

    ではないんですね。

    「そういう事態を想定して設計されてはいない」

    という意味なんです。
    嘘は言ってはいないが、聞いた人は前者に取る。狡猾ですね。

    もう一つ、「残余のリスク」という言葉があります。
    こちらは私たちはあまり耳にすることが無いと思いますが。
    かつて原発推進側にいて今は原発の危険性に警鐘を鳴らしている
    武田邦彦氏はこう書いています。
    http://takedanet.com/2011/04/post_c063.html

    結局原発を推進している連中は誰も原発が安全などとは思ってなくて、
    だからこそ都会から離れた貧しい田舎町に集中させるわけです。
    そしておカネは使えば使うほど自分たちに利益が落ちるという
    行政関連事業特有の仕組みが原発推進をさらに進めていきます。
    事故が起きる度に安全対策でお金がつぎ込まれます。
    正に焼け太り。彼らにとって原発事故はウェルカムなんです。

    私たち庶民は完全になめられています。賢くならなきゃいけません。

    9月 17th, 2011 | 12:43:10
  5. 加えて、

    このような最悪の事態になったときに政府や電力会社がやっていることを
    見て分かるように、彼らは庶民の被害に対して責任を取るつもりなど
    まるで無いことを肝に銘じるべきでしょう。
    http://bator.blog14.fc2.com/blog-entry-653.html

    彼らは、いかにして合法的に責任を取らずに済むかを考え、その責から
    逃げることに全力を尽くす連中です。決して彼らを信用してはいけません。
    こういうことを知るだけでも、原発継続などあり得ないと思います。

    9月 17th, 2011 | 15:36:00

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